よこなのへたのよこずき

noteもよろしくね

モデリング言語の魅力を知り、快適な図示ライフを送ろう

これはGeek Women Japan Advent Calendar 7日目の記事です(大幅納期遅延ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい)。

物事を理解するためのアプローチには色々ある中で、自分は割とを大事にしています。よく「人に説明出来てこそ本当に分かったとみなせる」とか言う気がしますが、言葉での説明のみならず、理解した内容を頭の中で図示出来るかを考えることが多いです。wikiを書いたり、プレゼンで何らかの概念を説明したりするときも、チャンスがあれば内容を噛み砕いて図を入れるようにしています。
個人的には、全体をパッと把握することも部分にフォーカスすることも可能な一枚絵で表現するのが好きです(上手に出来るとは限らない)。

さて最近、ちゃんとルールのある図…というか所謂モデリング言語を学ぶことが面白いし、何より便利だと感じています。今更かよとは思うんですが、以前は超オリジナルなお絵かきか、クラス図、フローチャートくらいしか使ってこなかったんですよね。それ以外は正直「納品のために整理するドキュメント」みたいな良くない思い込みのもと、価値も分からぬまま敬遠(反省)。しかし、図を描くのはゴールではなく目的を果たすための手段だと実感して以来、態度を改めました。

というわけで、モデリング言語について個人の感想レベルですが綴ります。


まずモデリング言語とは何ぞやという話ですが、とりあえずWikipediaを覗く程度としましょう。色々あるなぁ・・・VRのとかもある。Javaモデリング言語っていうのもある。へぇ・・・
モデリング言語 - Wikipedia

良いところ

積極的に使うようになってから感じたうまみを挙げてみます。

  • 作業の本質だけに時間を割くことが出来る
    表現の仕方やレイアウトを考える時間が無駄なケースってありますよね。モデリング言語の本来の目的と自分がやりたいことがぴったりマッチした場合とか、見せ方にこだわる必要がさほどない場合とか。そんなとき、ルールが決められている記法に頼ってしまえばすぐに手を動かせます。設計なら設計そのものだけに時間や労力を費やせますね。
  • 誰にでも分かる
    図を共有さえすれば相手がすぐに理解できるのはとてもよいです(まぁ標準化ってそういうことなんだけどw)。メンテする人を選ばないのも利点ですね。独自ルールで書かれた図はどうも他の人が手を入れにくいものです。
  • ツールが豊富である
    ユーザーが多く、広く普及したモデリング言語だと特に、便利ツールも色々あります。例として、愛用しているPlantUMLを後ほど挙げてみます。
  • 先人の知恵がつまっている
    経験値や知恵の蓄積によって練られた記法なので、上手く使うと便利です。ここぞというときに活用出来るようにしておくと頼もしいのは自然なことですね。

付き合い方

いつもこんな意識で使ってるよーという話もしておきます。

  • 学習コストを恐れない
    モデリング言語には分厚い仕様があったり、いつ使うねんっていうコンポーネントが存在したりするもので、一見複雑に見えることもあります。しかし、自分の表現したいものが必要とするのはきっと一部。見よう見まねで使ってみたら手に馴染むかもしれません。
  • 使う図に迷ったら、まずラフに描いてみる
    何かを図示しようと意気込んだ時、「この内容なら使えるモデリング言語あるかも!?」という直感が働いたらとりあえずググってみましょう。使えそうなものが運良く見つかったら、途中までざっくり描いてみるとよい気がします。複数候補がある場合の比較にも使えます。自分はnu boardを使ってお絵描きしてみることが多いです(FOLIOではnu boardが流行っている・・・というか結構多くの人が持っていて、影響を受けて購入した)。
    例えば、会社で某承認フローを分かりやすく表現したくてスイムレーンを採用したことがあるのですが、そのときはまさにこんなプロセスを踏みました。
  • レイアウトにこだわる余地があればこだわる
    格通り描くものの、色とか文字の大きさを使い分けることでより効果的な図に出来そうだったらトライしています。

仕事での活用例

仕事では主にUMLやBPMNを使う日々('ω')せっかくなので図の活用例とツールを紹介してみます。

シーケンス図を用いてコミュニケーションすることがこれまで何度かあったのですが、そんなときに同僚たちの真似して使い始めたPlantUMLというツールがとても便利です。

PlantUMLを使うと、こういうDSL(書き方は公式を参照してね)を描けば

@startuml beer.png
actor よこな as yokona
participant 注文用タッチパネル as orderMachine
participant コックさん as cook
participant ウエイター as waiter

loop
yokona -> orderMachine: 注文🍺
note left: 飲みたい
orderMachine --> yokona: 注文結果
orderMachine -> cook: 注文内容
cook -> waiter: 料理🍺
waiter --> cook: 了解
waiter -> yokona: 提供🍺
end
@enduml

画像を吐き出してくれます👏

処理が複雑だとか、整合性を担保するため情報を整理したいとか、理由は色々ありますが開発者が必要だと思ったらシーケンス図を描くことが割とよくあります(強制ではなく都度判断している)。コードを書き始める前にシーケンス図だけレビューして認識をすり合わせると手戻りやバグの防止になってよいです。pumlファイル自体はテキストなのでGitで差分も見られるし。
あとはユニットテストを描く時網羅性の確認に使ったりもします。簡単に言うと、全部の矢印に大してテスト書けてるかなーとかalt網羅してるかなーとかチェックする感じです。これもわざわざ改めてパターンを洗い出す必要がなくて便利だなーと思ったことがあります。

ちなみに私はIntelliJ IDEAにPlantUMLプラグインを入れて使っています。

編集中はリアルタイムに図が表示され続けるし、

文法の間違いにもすぐ気付くことができます。

PlantUML、社外のエンジニアお友達に聞くと意外と知られていなかったりするみたいなので、本当にライトですが紹介してみました。クラス図や状態遷移図など、他にも色々描けます。

適材適所('ω')

ところで、当たり前ですが全ての図という図をモデリング言語で表現したいわけではなくて、大事なのは使い分けです。オレオレ記法の方が目的を達成する近道だと判断したならばそれもよいと思います。

不要なコストをかけずに、伝わりやすい表現ができるのは何か?というのを考えて、最適と思われる選択をしていきたいものですね。知っている図は活用しつつ、時々新しい図もインプットしながら華麗な図示ライフを送りましょう💪